龍神様との恋愛事情!

「やっぱり、おばあちゃんも龍神様を見たことあったんだね」


「ふふ、運命の出会いだったわ。昔、お父さんについて満州まで行って、それから日本に帰ってきてすぐのことよ」


おばあちゃんのお父さんは憲兵さんだったらしく、仕事柄、国内外のあちこちを飛び回ってたから、昔は家族で引っ越しの繰り返しだったそうだ。

でも、今住んでる土地に来た時、神社で龍神様と出会ったおばあちゃんはこの町から離れることを拒否したらしい。


「え?なんで離れたくなかったの?」


「それは……好きになったからよ。龍神様をね」


明るく笑いながら思い出を話してくれる。

無邪気なおばあちゃんの微笑みは、古い写真に写ってた若い頃と同じで、とても生き生きとしていた。





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