龍神様との恋愛事情!
家族水入らずを邪魔したら悪いと思ったのかな。
優しい千早様が考えそうなことだよね。
別にいてくれて構わないのに。
「沙織、向こうでもちゃんと勉強しなさいよ?あなたまだ高校生なんだからね?」
「はいはい」
返事はしたものの、勉強って…どうしよう。
龍の世界に学校があるとは思えないし。
「家事とかも、おばあちゃんに甘えてちゃダメだからね?おばあちゃんも沙織を甘やかさないで、しっかり手伝わせてよ?」
「はいはい」
おばあちゃんはわざとらしく私と同じ返事をした。
そんなおばあちゃんを見て、私とお父さんがクスリと笑う。
ああ……なんかいいな。この雰囲気。
久しぶりだよ。
またこうして家族で楽しく会話できて、幸せだな。
ただ、おじいちゃんがこの場にいないのが残念でならない。