龍神様との恋愛事情!
「どっちが沙織?どっちが香織?」
傍に寄ってきた龍神様が少年のような声で無邪気に質問してきた。
「私が沙織です。こっちは香織おばあちゃん」
「へぇー、そっか。よし、覚えた!」
なんか可愛いな。
とっても人懐っこい。
まだ幼い龍神様なのかな?
「これはまた…可愛らしいお嬢さんを拉致ってきましたね、千早様」
今の龍神様よりも大人っぽい声が響いた。
さっきの龍神様が少年なら、今度は青年かな。
「拉致じゃないよ。いずれ沙織は私の妻になるんだから」
ち、千早様!?
しれっと言ってのけた千早様に驚いたのは私だけじゃなかった。
彼のとんでもないセリフに、この場に集まっていた龍神様全員がこう叫んだ。
「はあああっ!?何言ってんですか千早様!!」