龍神様との恋愛事情!
この周りの反応に千早様は気分を害したようだった。
龍の姿だけど、わかる。
今、千早様は絶対拗ねてる。
人間の姿だったら、ほっぺた膨らませてると思う。
案の定、千早様は鼻を鳴らすと無言で地面に降り立った。
周囲を取り巻いていた龍神様達は上空で困ったように旋回を続けている。
「千早様ー!お考え直し下さいねぇー!」
「いくら貴方様でも、そりゃあ前代未聞のことですぞー!」
フレンドリーな龍神様達は言うだけ言うと、また群れをなして転生山の方へ飛んでいってしまった。
「全く…余計なお世話だよ」
声の方に目をやると、いつの間にか千早様が人間の姿に変わっていた。
「すまないね。悪い奴らじゃないから、大目に見てやってくれないか」