龍神様との恋愛事情!


 二階へ上がるなり、明るい声が耳に飛び込んできた。


「千早様ぁ~!!お帰りぃ!」


近くの和室から出てきた赤い着物の女の子が、千早様にガバッと抱き着く。


「うわっ!朱美(あけみ)か!驚くじゃないか」


朱美と呼ばれた女の子は私と同い年くらいに見えた。

人懐っこそうな明るい表情が好印象のツインテール少女。


「だって久しぶりで、嬉しかったんだもん!」


この子も龍神様…?

その割には、千早様に対して敬語じゃない。

もしかして、千早様が触れた人間…?


「あれ?その人達、誰?まさか人間?」


「ああ。沙織と香織だよ。これからここに住むから、空いてる部屋に案内するところなんだけど…どこが空いているかな?」


「あたしの隣の部屋が空いてるよ。後は奥の部屋」


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