龍神様との恋愛事情!
その時だった。
「喧しい!!散れっ!!!!」
獣がほえたける如く、千早様がうるさかった女性達を一喝した。
ビリビリと空気が鳴る。
誰よりも近くで聞いていた私は思わず耳を塞いでしまった。
「ち、千早様…?どう致しましたの?」
私を含め、みんなビックリだ。
普段ニコニコしてて穏和な千早様が、まさかいきなり怒鳴るなんて思わなかった。
「千早様…?」
心配で小さく声をかけると、千早様は無言で私を抱き上げた。
そのまま階段を降りて二階へ。
「お待ち下さいませ!千早様!」
千早様を追って、後から後から階段を降りてくる龍神様達。
そんな彼女達を千早様は面倒そうな表情で一瞥すると、建物の外に飛び出した。