龍神様との恋愛事情!

そんなわかりにくい優しさなんていらない。

私が欲しいのは…。


「なら千早様は…私のこと、好きなんですか?嫌い、なんですか…?」


不覚にも喉が震えた。

自分の消え入りそうな声に驚きつつ、千早様の本当の答えを待つ。


「言ったよね?伊吹に嫉妬したって。沙織に選ばせるなんて考えておいて、私は連れ去られる君を指をくわえて見ていられなかった…」



しばらくの間、滝の打ち付ける音が耳を支配した。

そして――。



「好きだよ」



千早様が私を真っ直ぐ見つめる。



「君に、恋してる」



からかいも照れもない最高の表情で、千早様は私に微笑みかけた。


不意打ちの甘い微笑に、私の胸がキュンとなる。


< 247 / 564 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop