龍神様との恋愛事情!
そんなわかりにくい優しさなんていらない。
私が欲しいのは…。
「なら千早様は…私のこと、好きなんですか?嫌い、なんですか…?」
不覚にも喉が震えた。
自分の消え入りそうな声に驚きつつ、千早様の本当の答えを待つ。
「言ったよね?伊吹に嫉妬したって。沙織に選ばせるなんて考えておいて、私は連れ去られる君を指をくわえて見ていられなかった…」
しばらくの間、滝の打ち付ける音が耳を支配した。
そして――。
「好きだよ」
千早様が私を真っ直ぐ見つめる。
「君に、恋してる」
からかいも照れもない最高の表情で、千早様は私に微笑みかけた。
不意打ちの甘い微笑に、私の胸がキュンとなる。