龍神様との恋愛事情!
謙一郎さんは散乱している本を眺めながら言った。
「あんたにはなかったの?夢とか、目標とか」
夢?
「いえ……特には」
そんな大層な夢や人生の目標なんて持ってないし、考えたこともない。
「そっか……まあ、そういう奴もいるよな」
謙一郎さんが肩を落としたように見えた。
「謙一郎さんの夢って…なんですか?」
「俺は…………」
切り出してから、なかなか先を言ってくれない謙一郎さんに、千早様が痺れを切らした。
「医者になりたかったんだよね」
千早様の言葉に謙一郎さんがビクッと反応する。
「君の夢を奪う形になってすまないとは思ってるよ。けれど、私は君を助けたことに謝罪するつもりはないからね」