龍神様との恋愛事情!
「あな、たは…?」
白い袴姿の男性。
腰には見事な刀を下げ、見るからに村人じゃない。
人間かどうかすらも怪しい。
彼の長い髪は真っ白だった。
呆然と見上げる私に彼は淡々と言った。
「俺は、お前を死の淵から救った神だ」
神、様…?
私を救った、神…?
「お前と友達は河童に足を引っ張られたんだ。覚えているか?」
「河童が…私と文ちゃんを…?」
「そうだ。あの川には河童が多く棲んでいる。以後、水遊びは控えろ」
言い方は素っ気ないけど、心配してくれていることは理解できた。
けど…けどね。
「何で、私だけ…?何で文ちゃんは助けてくれなかったんですか?あなたは神様なんでしょう!?神様なら、二人とも助けられたでしょう!?」