龍神様との恋愛事情!
「なんだ、お前から来たのか」
塒山神社へ行ったら、社殿の屋根に白龍様が座っていた。
「おばあちゃんが、塒山にも行きなさいって…」
「ああ…お前の祖母か。あいつとお前くらいだ。ここまで登ってくる奇特な人間は」
褒められた…?
白龍様に褒められた…!
嬉しい!
あ……舞い上がるな私。
それよりも!
「私、まだ納得してませんから。白龍様が文ちゃんを見捨てたこと」
これは譲れない。
いくら白龍様でも納得いかないよ。
「見捨てた…?はっ!勘違いするな。俺は気に入った人間を助けたまで。溺れていたのが文一人でも助けなかったろう」
「なっ!?何ですかそれ!本当に不公平よ!!」
「この世に平等などありえん。特に、心はな…」
白龍様はふわりと屋根から飛び降りた。
「良いか桜。お前のことは稀に見る馬鹿だから助けたのだ」
稀に見る馬鹿?
なんですかそれ…。