龍神様との恋愛事情!
「呆れたな」
「ぎゃうっ!!」
白龍様の声としわがれた悲鳴が聞こえたかと思うと、絞め付けから解放された。
「げほっ、こほっ…は、く龍…さま?」
「お前、こんなことでは命がいくつあっても足りんぞ」
白龍様が片手で私を抱き寄せる。
彼の右手には刀。
刀…?
何かを斬ったの?
そういうば、さっきの悲鳴は誰の…?
酸素を取り込むのに必死になりながらボンヤリした頭で考えていると、複数の甲高い声がした。
「痛い!!痛いっ!おいらの手を返せ!」
「また邪魔をした!!白龍はどちらの味方なんだ!」
「ここら一帯を守護しているのはアンタだろう!?邪魔をするならどうにかしてくれ!」
「人間の子供なんて減ればいいんだ!」
首を動かして声の正体を視界に捉えた私は、驚きで言葉を失った。