龍神様との恋愛事情!

「良くないです!私のせいで、私のせいで腕が…!」


痛々しい傷口を見て、涙が頬を伝った。


「ごめんなさい…白龍様……ごめんなさいっ…」


謝るより他に、言葉が見つからない。

そんな私に白龍様は言った。


「桜、こちらを向け。俺を見ろ」


「白龍様…?」


涙でぐちゃぐちゃの顔を上げて、恐る恐る白龍様を見た。

すると、頬をそっと撫でられた。


「………泣き顔など似合わん」


「え…?」


「泣くな。笑え。俺はお前の笑顔が見たい」


「む、無理言わないで下さい!今は、笑えませんっ」


「悲しむな。腕は失ったがお前は生きている。だから笑え」


無茶苦茶だと思った。

でも、白龍様が望むなら…。


「また助けて下さって、ありがとうございました…」


一生懸命笑顔を作って、お礼を言った。





< 410 / 564 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop