龍神様との恋愛事情!
「……はい」
不安だったけど、無理矢理に笑顔を作った。
「桜…」
そんな私の心境を、白龍様はお見通しだったみたい。
優しく頭を撫でてくれた。
その時…。
「桜!来てくれ!」
表にいた私を呼ぶ声。
家の中から慌てた様子のお父さんが出て来た。
「お父さん?どうしたの?」
「おばあちゃんが!おばあちゃんが倒れた!」
「え!?」
「お母さんと同じで熱があるんだ。例の病かもしれない…!」
おばあちゃんが…病…?
「看病はお父さんがするから、桜は水汲んできてくれ!」
「わ、わかった!」
桶を渡された私は、走って家の裏手にある井戸へ向かった。
おばあちゃんが病!?
おばあちゃんが!?
お年寄りが助かる見込みは……ほとんどない。
おばあちゃん……死んじゃう、の…?