龍神様との恋愛事情!


 予想通り、時間を遅くしたおかげで河原に人はいなかった。

ホッとしつつ洗濯開始。


「はぁ…急がなきゃ」


お父さんが家に帰ってくる前には終わらせないと、心配かけちゃうから。


桶に水を汲み、袖をまくる。


「っ…」


さっきからズキズキ痛む左腕。

お昼頃はまだ平気だったのに、今は連続した痛みがやって来る。


これ以上、痛みが酷くならないように願いながら手を動かしていた時だった。


「あら~、桜ちゃんじゃない」


「お、おばさん…!?」


聞き知った声に振り向けば、親戚のおばさんがいた。


「あなたも今から洗濯?うちも子供の看病で遅くなっちゃってねぇ」


う、嘘!?

おばさんがこっちに来る!

腕が見られちゃう!


隠すため、とっさに袖を下ろそうとした。

けど、無駄だった。


「あら?あらら!その腕どうしたの!?」


見られてしまった。


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