龍神様との恋愛事情!



 それから数日。

病が消え去り、白龍様の腕も治って良いことずくめ!…のはずが、私が河原で倒れてから、こんな噂が村で広まっていた。


「ほら、あそこんちの娘さんよ」


「桜ちゃんだっけ?身体に醜い痣があったとか…」


「見たもんの話だと、魚の鱗みてぇだ」


「病じゃねぇんだろ?物の気にとりつかれたんか?」


「気持ち悪いよなぁ。もし悪いもんだったら村から出てってくんねぇかな」



今日も聞こえる、村人達のひそひそ話。

みんな、私が歩いてるのを見掛けると、化け物でも見たような表情で距離をとる。

左腕が一目に曝されてから、いずれ変に噂されるだろうなって覚悟はしてたけど……やっぱり辛いな。

ついこの間まで笑顔で挨拶を返してくれてた人達が、今は厄介者でも見るような嫌悪の眼差しを向けてくるなんて。


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