龍神様との恋愛事情!
「はぁ……仕方ない、か」
村の人達は正体不明の「よくわからないもの」を恐れる。
病でも傷痕でもなければ生れつきの痣でもないから、私の左腕の鱗は「よくわからない不吉なもの」として認識されてしまった。
忌み嫌われるのは当然。
けど、人の噂も七十五日。
いずれ私のことなんて忘れて、誰も噂しなくなるはず…!
なんて、軽く考えていた。
「おい、脱げよ」
「は!?」
今日も昼間のうちに塒山神社へ行こうと山を登っていた私。
山頂の朱い鳥居が目に入った丁度その時、待ち伏せていたのか数人の男の子が私を取り囲んだ。
「あの、どいて!私、神社に用が…」
「お前だろ?変な鱗が身体にある女って。俺の父ちゃん見たってさ。めちゃめちゃ気持ち悪いらしいぜ!」