龍神様との恋愛事情!
反論するも、問答無用で帯を解かれそうになった。
男子の手が帯にかかる。
「嫌ぁあ!!白龍様っ!白龍様ぁああ!!!!」
ポツ
ポツ――
ポツポツ、ポツ――
ザアアアア――――
晴れていた空が突然、雨雲に覆われた。
天気は一変。
大雨となった。
「うわっ!マジかよ!」
「ひでぇ雨だ!うわぁ…」
「ちっ、村に帰んぞ!」
「ああ!風邪ひいちまうよ」
私をこの場に残し、一目散に山を駆け降りていく男子達。
「あ…め…?」
助かった…?
でも、急に都合よく雨が降るなんて…。
未だ震える身体を自分で抱きしめた時だった。
「桜…」
鳥居の方を見上げれば、雨に打たれながらこちらを向いて立っている白龍様の悲しげな瞳と視線がぶつかった。