龍神様との恋愛事情!
「白龍、様…」
そっか…。白龍様が助けてくれたんだ。
この雨は白龍様が降らせてくれたんだ。
その場にへたりこんで呆然としている私に、白龍様はゆっくりと近づいてきた。
「風邪を引く」
自分が羽織っていた白い衣を、私の肩にかけてくれる。
「来い」
立たせようと手を引いてくれたけど、腰が抜けたのか上手く立ち上がれない。
そんな私を白龍様は無言で抱き上げ、神社の社殿まで運んでくれた。
いつもは閉まっている扉を開き、社殿の内部に二人で入る。
「……すまない」
狭いけれど、なんとか雨宿りできる広さの中で、白龍様が私を抱き寄せながら囁いた。
「雨雲を呼ぶのに刻を要した」
「いいえ……ありがとうございます」