龍神様との恋愛事情!
「はぁ……んっ、白龍様…」
「……伊吹と、呼べ」
「え…?」
私の胸元に口づけてから、白龍様は顔を上げた。
「俺の名だ」
「い…ぶき、様?」
「そう…」
伊吹。
白龍様の名前…。
教えてくれるなんて、嬉しい…!
「伊吹様、好きです!大好きっ」
ギュッと抱き着いたら、また頬に甘い接吻をくれた。
くすぐったい気持ちを持て余していると、伊吹様の手が私の帯に触れたのがわかった。
瞬間、嫌な記憶が蘇る。
――どこにあるかわかんねぇから、隅々まで見なきゃな
――おい!暴れんなよ!足も押さえとけっ
ビクリと跳ねた身体。
それは伊吹様を拒んだかのようだった。
「あ、ごめんなさい…!」
伊吹様の動きが止まる。
「伊吹様?」