龍神様との恋愛事情!
その後、伊吹様に麓まで送ってもらった私は真っ直ぐ家に戻った。
「ただいま」
雨に濡れた着物を乾かそうとしていたら、丁度おばあちゃんが私を見て口を開いた。
「桜ちゃん、さっき村長さんが来たんよ。桜ちゃんに話があるってさ」
「え?村長さんが、私に?」
何だろう?
話の心当たりがない。
「なんかやらかしたか?」
「何もしてないよ、お父さん!ちょっと行ってきますっ」
私はまた藁笠をかぶって家を出た。
村長さんの家はここから道なりに坂を下って数分。
雨風が強かったけど、話とやらが気になって駆け足で向かった。
なぜだろう。
なぜか、嫌な予感がする。
「白龍様…伊吹様…私をお守り下さい」
そう唱えてから村長さんの家に上がった。