龍神様との恋愛事情!
「こんにちは」
藁笠を外して挨拶。
居間に通された私は、床にどっしりと腰を下ろしている村長さんの前で正座した。
村長さんの隣には、かなり歳老いた前の村長さんが座ってる。
「あの…桜です。私に話があると、祖母からうかがって来ました」
緊張しているのが丸わかりなくらい上擦った声が出た。
「よく来て下さった。実は、話があるのは祖父さんの方でな…。ほら、祖父さん」
村長さんは隣にいたお爺さんに呼びかけた。
「うむ……お前さん。近頃、身体に魚の鱗があると噂されとったな?」
話題に反応して肩がビクリと震える。
「は…はい」
落ち着け。
落ち着け、私。
「それはー…白龍様の鱗じゃねぇか?」
「え…?なぜ、そのような…?」
お爺さんは伊吹様のことを知ってるの?