龍神様との恋愛事情!
「言い伝えがあるんじゃ。村の者に魚の鱗のような痣があったら、そりゃあ塒山の白龍様のお印だとなぁ」
初耳だった。
そんな言い伝えもあったなんて…!
「有り難いお印なんじゃ…ほんに有り難い。じゃがなぁ」
お爺さんは私をジッと見据えた。
「村の風習ではの、鱗を持つ者を白龍様にお返しせにゃいかん。鱗の持ち主は白龍様に見初められたも同然。お返しせにゃあ…」
「村に災いが降り注ぐ」
村長さんがハッキリと言った。
「災い…?」
「そうじゃ。今はこの長雨のせいで川が氾濫しそうになっとる」
長雨が災いだと言うの?
確かに伊吹様が雨を降らせたけど、それは私を助けるためであって、災いにするつもりじゃなかったはず。
「川が酷くなる前に、お前さんを返さんと…」