龍神様との恋愛事情!

「でも、お返しするって…どうやって…?」


「そりゃあ……龍神様は川と縁が深い。川にお前さんを返すのが一番よい」


川に、返す…?


それって…まさか…。



「お前さんを川に沈めるんじゃよ」



川に、沈める…?


私に……死ね、と…?


「い、嫌です!お考え直し下さい!どうかっ」


その場で土下座した。


「お願いします!どうか…殺さないでっ…!」


白龍様は…伊吹様はそんなこと望んでない!

私に生きて欲しいから、助けてくれた。

私が死んだって伊吹様のもとには返らないし、長雨だって終わる保証はない。

それでも…。


「理解せんか。お前さんは死ぬ定めにあるんじゃよ」


それでも私に、死を望みますか…?


「明朝、お前さんを川へ返す儀式を執り行うからの。それまで、ここにいてもらうぞ」


お爺さんが話し終えると、急に村長さんが立ち上がった。

強引に腕を掴まれる。


「嫌っ、放して!!」


「お願いだ。村のためと思ってくれ」


「嫌ぁあ!!」


抵抗虚しく、私は両手両足を縛られ倉に閉じ込められた。




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