龍神様との恋愛事情!
「誰だ!」
威嚇する伊吹様が私を背中に隠す。
すると、私達の真正面から華美な紅の着物をまとった青年が現れた。
「貴様はっ!?」
伊吹様がハッとなる。
私も目を丸くした。
「もしかして……シナ様…?」
降龍神社に祀られている産土神。
級長津彦命(しなつひこのみこと)。
私が前世、お世話になった神様。
「大正解!よく覚えていたね。嬉しいよ」
「級長津彦命、なぜここにいる?」
「ふふ、相変わらずだね白龍は。もうちょっと愛想よくしないとモテないよ?」
「黙れ、答えろ」
シナ様はやれやれと肩を竦めて、さらりと言った。
「ここが天だからだよ。神は天にいるものだろう?」
「社にいなくて良いのか?」
「厳しいねぇ。たまには天へ帰ってきても良いじゃないか」