龍神様との恋愛事情!

そこには龍矢くんの言う通り、大人の日本猿がちょこんと座っていた。


「うわっ、本当だ!よくここに出るよね。前にも見かけたきがする」


この辺りは自然が多いから、山からしょっちゅう野生動物が下りてくるみたい。

けど、人を襲ったっていう話は聞かないなぁ。

猪に畑を荒らされたっていうのは聞いたことあるけどね。


「去年もいた。この分じゃ来年も鉢合わせしそうだな」


お猿さんも初詣で?

そう考えれば可愛く思える。


お猿さんを眺めながら私達は道なりに進んだ。

牛舎の前を通って、今年も柵の隙間から顔を出している牛さん達に挨拶しつつ細い路地へ。

その路地を歩いている時、前方から同い年くらいの女の子が数人こっちへやって来るのが見えた。


「あ、龍矢くんじゃ~ん」


「ホントだぁ~。元気?」


知り合い、なのかな?

女の子達がすれ違い様に龍矢くんに声をかけた。


< 556 / 564 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop