龍神様との恋愛事情!

元旦なのにしんとしていて人気のない神社。

お参りに来る人をほとんど見掛けたことがないから、私も敬遠して未だにこの神社の鳥居をくぐったことがない。

今年も横目に見て通り過ぎるだけ……と思いきや。


「あ!龍がいる!」


ちらっと見ると、社殿の横に大きな龍の置物があった。


「ああ……そういえばここ、辰年の時だけ出してたな」


私の背丈くらいある白い龍の置物。


なんとなく、興味を引かれた。


「龍矢くん、ちょっと寄っちゃダメ…?」


「………別に、構わない」


龍矢くんのお許しを得て私は初めて降龍神社に入った。

周りをキョロキョロ見回しながら、白い龍の前で立ち止まる。


「なんか思ったよりも、顔が怖いね…」


「そうか…?」


遠目からだとわからなかったけど…これ、憤怒の表情だよね?

もっと笑顔の龍を置かないと、ただでさえ少ない参拝客がもっと減っちゃいそう。


そんなことを考えていると…。


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