龍神様との恋愛事情!
「……なんとも、なってないよね」
白い楕円形の痣に異常は見当たらない。
なら、この一瞬の痛みは…一体…?
私が首を傾げていると、枕元に人影が映った。
「え!?」
お母さんはおばあちゃんの部屋で一緒に寝てる。
お父さんは居間で過ごしてる。
この小さな畳の部屋には私一人のはず…。
「だ…れっ!」
誰かいる!
窓辺に立って、私のことを見下ろしてる誰かが…!
私は反射的に起き上がった。
すると――。
「見つけた…」
清んだ声が響いた。
「誰…?」
月明かりに照らされている、白い髪の青年。
いつの間に私の部屋へ侵入したんだろう。
彼は足音も立てずに近寄ってきた。