龍神様との恋愛事情!
「何百年待ったことか…」
上品な白い着物を身にまとった彼は、ゆっくりと私の目の前に来た。
翡翠色の瞳が闇に光ってる。
綺麗だけど…とても妖しい光り。
「来い、桜(さくら)」
彼が優雅な動作で手を差し出した。
「私…桜じゃ、ありません」
桜って誰?
そういえば、桜川の由来になった女の子が桜って名前だったっけ。
「否定するなら今の名を言え。何と言う」
「さ…沙織です」
なぜか逆らえなかった。
「沙織か。ならば沙織。俺の手を取れ。行くぞ」
「え?あの…行くってどこへ?」
「裏側……龍の世界に決まっているだろう」
はい…?
龍の世界?
ということは、この人も龍神様!?