腕枕で眠らせて*eternal season*
「なんか嬉しいよね。私、病院で『水嶋美織さん』って名前呼ばれた時でさえ嬉しかったもん」
「別姓を選ぶ夫婦も今は多いですけど、僕はやっぱり一緒の苗字って嬉しいですね。それだけで、僕らひとつの家庭なんだなって気がして」
ニコニコの会話を交わしながら、美味しそうなパスタとサラダのランチが出来ていく。
「こうして美織さんがエプロン着けて料理してる姿でさえ、なんか“新妻”って感じがして新鮮な気がします」
「あはは。してる事は同棲の時とおなじなのにね、不思議」
「いいですよねえ、新妻のエプロン姿」
「あっ、紗和己さん何かえっちなコト考えてない?」
「まさか、そんな。…ちょっとだけですよ」
そして。
いつでもどこでも激甘モードに突入してしまうのも、新婚の醍醐味だと思うの。
「紗和己さん、パスタのびちゃう~」
ちょっと柔らかく茹であがってしまったパスタの昼食を済ませると、午後から観る予定だった映画のDVDは放っとかれ、紗和己さんはサクサクと私を寝室に拐っていってしまった。