面倒臭がりの異界冒険伝
それが男たちへの挑発もかねているとは気付かない連中の一人が案の定、引っかかってくれた。
「てめぇ…舐めてんじゃねーぞガキ…!!」
そう叫びながら一人先走る男が、ナイフを突き立てて突進して来るが、それを簡単に右に体をずらして躱すと、手刀を相手の手首に落としてナイフを落とした。
咄嗟に拾おうとした男のがら空きの首筋にスッと蹴りを落とせば、その身体は否応なしに地面に叩き付けられる。
後に残った五人は流石に一斉に襲い掛かってきた。
しかし統率されていない動きは本当に隙が多く、悠奈は確実に一人ずつ沈める楽な方法を選ぶ。
さっと体勢を低くし男が突き出した短剣を躱し、そのついでに地面に転がっていたナイフを拾うと、そのまま後ろから襲い掛かろうとしていた別の男の足元…ズボンの裾を狙い、ダーツの要領で投げて地面に縫い付け、その動きを封じると、短剣を持っていた方の男の腹に肘をくらわせた。
相手が前屈みになったところで、手で作った簡易の鈍器で威力を命一杯込めて頭を殴る。
「ぐがッ…!?」
男が倒れきる前に足止めしていた男の方に向き直り、回し蹴りでバランスを崩させた後、その顔に思い切り体重を乗せて再び蹴りをお見舞いした。
「なんか…予想以上に張り合いないなー。」
悠奈は退屈そうにそう息を吐いて、他の連中も一気に沈めようとした時、背後で杏奈の悲鳴が聞こえた。