モントリヒト城の吸血鬼~一夜話~


「…。東雲が案内するから、
僕の部屋に行ったら。」

やっとドロワーズを返す気になった
凍夜がため息交じりに
部屋から出ていく。

やり方はともかく、自分のことを
心配してもらったことは
単純に嬉しいらしい姫乃が、
嬉しいような困ったような
複雑な顔でそのあとに続いた。

「そうだわ、沙羅、今日の
昼食はなにか食べたいの、ある?」

一度閉めかけたドアから
顔をのぞかせて、
姫乃がたずねる。

「ええと…。」

沙羅は、手の中の小鳥を
じっと見つめてから、
天使の微笑みを浮かべていった。
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