幸せをくれた君に
理沙はデザート用フォークを持つ手をとめ、俺を見つめてくる。


真っ黒な澄み切った瞳が俺を見つめている。


初めて会った時は、少しおどおどとした印象を受けた彼女だったが、今はそれだけじゃないことを俺は知っている。


「お互いを知る期間から次にそろそろ進みたいと思っているんだ」


「………」


「来年には神崎さんも社会人になる。きっと出会いもたくさんある。……そう思ったら余裕がなくなった。小さな男と思われても俺は神崎さんが……理沙が好きだ」


俺の声はかすかに上擦っていただろう。こんなに緊張したのは就職活動の最終面接以来かもしれない。


ただ、彼女に伝えたかった。

「付き合ってくれないか?」

彼女を好きだ、ということを。

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