幸せをくれた君に
理沙、君は俺に別れを告げたとき、
『ごめん、達哉のこと本当に理解できてなくて……』

君はそう言ったけど、謝るのは俺のほうだ。

俺は初めての夜、君の身体に溺れながらも、君のまなじりから、一筋の涙がこぼれたのを知っていた。


君が迷っていたのも、何かに怯えていたのも知っていた。


それでも……


それでも……


君を俺のものにしたかったんだ。



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