幸せをくれた君に
君との4年
それからの4年の月日はあっという間だった。


その間も別にこれといったケンカもなく、俺と理沙は順風満帆に付き合いを続けていた。


彼女は大学卒業後、保険会社の事務職に就き、多忙な毎日を送っていたし、俺も理解ある良き上司に巡り会い、半人前ぐらいには社会人として成長できているんじゃないかな、なんて自惚れもしていた。


お互いに仕事を持つと、会える時間も回数も当然減る。

『同棲』という手もあるけれど、俺ももうすぐ28歳。


そろそろ『結婚』という二文字が俺の頭をよぎりはじめた、春先のこと。




不意に訪れたある『出会い』と『再会』。


それが、俺と君の運命を大きく変えてしまうなんて、俺には想像すらしていなかったんだ。
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