幸せをくれた君に
「着きました」


男の冷静な声にようやく我にかえる。


白昼夢ともいうべきか、俺は立ったまま夢でも見ていたようだ。足元がふらつくような感覚。


「お嬢様、美馬様がお見えです」


男がある部屋に向かって声をかけると、俺の到着を待ちわびたかのように、すぐにドアが開き、彼女が現れる。


「いらっしゃい、待っていたわ」


彼女は妖艶な紅いドレスを身にまとっていた。


俺の手を引き、部屋へ招き入れると、そのまま彼女からの仕掛けるかのようなキス。


彼女の舌が積極的に俺を求めてくる。


そう、男の本能と言ってしまえば勝手だけど、求められると、身体が反応してしまうのは事実で。


男の身体の変化に気づいた彼女が、満足そうに微笑む。


「契約は続行ね」

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