幸せをくれた君に
俺と彼女との契約。


それは……


『貴方が私の身体に飽きるまで、私を抱くこと』


そんな科白を口にした彼女を、どこか病んでいるのかとも疑ったけれど、彼女はどこまでも正気で本気だった。


『難しく考えないで俗に言うセフレってやつよ。貴方が私に欲情する限り私を抱いて。私に欲情しなければ、契約は白紙に戻すのよ』


『悪いが、俺には……』


そんな無茶苦茶な話にのるわけもなく、断ろうとした俺の言葉を美香は遮った。


『神崎さんに知られたくないんでしょ?私の父にも、知られたくないわよね』


静かなる脅迫。


『これはビジネスよ。私は誰にも他言しない、その代わりに貴方は私を抱くの』


『そんなことをしても、君にメリットはないだろ?』


『あるわよ。私、退屈なの。美馬さんが一夜の女を求めていた理由と同じと云えば分かるかしら』

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