幸せをくれた君に
「嬉しいわ。お願い、抱いて」


彼女は紅いドレスを脱ぎ捨てる。


そして、俺をベットへといざなう。


契約を交わしてからのいつもと同じパターン。


彼女が積極的に俺を求めて、俺がそれに応える。


俺は理沙が好きだ。理沙を愛している。


それにも関わらず、俺の身体は反応する。
美香のキスを受け止めながら、いつの間にか彼女の舌を求める俺。




理沙、俺は君と美香の二人の間で確かに揺れ動いていた何かがあったことは否定できない。


美香が積極的に俺を求めてくれるのが新鮮だった。


だからといって、彼女の求めに応じたのは許されないことだと分かっている。


それでも、ひとつだけ。


君からも俺を求めて欲しかった。


そんな願望が俺の中にあるのに気づいたんだよ。
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