幸せをくれた君に
理沙からの通話がきれてからも、残る違和感。


さっきの間は何だったのか?とか、


何故、マンションじゃなく喫茶店で会うことになったのか?とか。


(怒っているのだろうか?)


「どうしたの神崎さん?」


とあるホテルのタブルベット。
俺の隣で大きな欠伸しながら、美香が俺に尋ねてくる。


「あぁ……」


「浮かない顔ね」


「なんだか、理沙のやつ話があるみたいだ」


「ふーん」


美香は下着を身につけながら、何かを考えるように首を傾げている。


「どうかしたのか?」


「もしかして神崎さん何か気づいたのかも…」


「まさか」

               
俺は否定しながらも、先ほどの理沙の様子を思い出し背筋を冷たいものが走る。

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