jack of all trades ~珍奇なS悪魔の住処~【完】
なぜか、最近、香さんは志音に対して、あまり敵対心を剥き出しにしなくなった。
真論の世話をしてくれたり、ケーキを焼いてきてくれたから、女として見えてきたのだろうか?
詳しい理由は、よく分からなかったが、薄々そう感じ取れるようになった。
「相変わらず、愛想がないね。志音、この際だ。蕾に、自分から伝えておくことをおすすめするよ。前に作った秘密事も、今実行中の秘密事も、まとめて全部ね」
志音は、香さんを鷹のような鋭い瞳で貫いた。
「なぜ、昔のことまで言わせる!?」
珍しいことに、あの冷静沈着な志音が、ストレートに怒りの感情を露わにしていた。
案の定、わたしは2つの秘密事、両方共が美味しそうに思えた。
以前に作った秘密、それは、時が経って色褪せても、再び口にしたら滋味が蘇ってくる駄菓子ようだ。
そして、今実行中の秘密、それは、試行錯誤の末に出来上がる、斬新さと興趣が織りなす絶妙なハーモニーを兼ね備えた新発売のスイーツのようだ。
どっちも捨てがたいではないか。
優柔不断なわたしが、瞬時に、どちらか1つの甘味をセレクトするなんて不可能だろう。
よって、志音が言い難い昔のことは、意地でも却下させるわけにはいかないのだ。
「志音、お願い! 両方教えて! ちらちら見え隠れする隠し事を秘密にされるのは、精神的に辛いよ・・・・・・」
いつもより、眉のハの字の反りを激しくしようと試みた。
真論の世話をしてくれたり、ケーキを焼いてきてくれたから、女として見えてきたのだろうか?
詳しい理由は、よく分からなかったが、薄々そう感じ取れるようになった。
「相変わらず、愛想がないね。志音、この際だ。蕾に、自分から伝えておくことをおすすめするよ。前に作った秘密事も、今実行中の秘密事も、まとめて全部ね」
志音は、香さんを鷹のような鋭い瞳で貫いた。
「なぜ、昔のことまで言わせる!?」
珍しいことに、あの冷静沈着な志音が、ストレートに怒りの感情を露わにしていた。
案の定、わたしは2つの秘密事、両方共が美味しそうに思えた。
以前に作った秘密、それは、時が経って色褪せても、再び口にしたら滋味が蘇ってくる駄菓子ようだ。
そして、今実行中の秘密、それは、試行錯誤の末に出来上がる、斬新さと興趣が織りなす絶妙なハーモニーを兼ね備えた新発売のスイーツのようだ。
どっちも捨てがたいではないか。
優柔不断なわたしが、瞬時に、どちらか1つの甘味をセレクトするなんて不可能だろう。
よって、志音が言い難い昔のことは、意地でも却下させるわけにはいかないのだ。
「志音、お願い! 両方教えて! ちらちら見え隠れする隠し事を秘密にされるのは、精神的に辛いよ・・・・・・」
いつもより、眉のハの字の反りを激しくしようと試みた。