プリーズ・イート・ミー
「べ、別に照れてないし」

「送ります?」

「送らない」

「えー。せっかく撮ったのに」

「もういいってば」


杏里ちゃんとそんな言い合いをしてしたら、喉が乾いていることに気づいた。
というか、話題を変えてしまいたかった。

ちょうどすぐそばに自販機があったので、わたしはポケットの中から財布を取り出す。


「あー疲れた。糖分ほしい。わたし、ジュース買うね。杏里ちゃんもいる?」

「いえ、あたし、ちょっと急いでるんで。先、着替えてます」

「んー。わかった」


杏里ちゃんと別れ、自販機のボタンを押す。
ガコンと音がして、ミルクティが取り出し口に落ちた。

はぁ……と、ため息はきつつ、もう一度スマホを手にする。

写メどうしよう……。
一応約束は約束だし、送るべき? などと、考えながら、さっき撮ってもらった写メを眺める。


「うー……やっぱ無理。なんか恥ずかしい。無理無理」


まだ頬はほんのり熱くて。

どうかこのミルクティを飲み干すまでに火照りが冷めますように……。そう願いながら、わたしは一口コクリと喉に流し込んだ。


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