プリーズ・イート・ミー
「少なくとも、桐谷さんは奈々子さんのこと気に入ってますよ。あたしの勘、結構あたるんですよねー」

「なんでそう思うのよ? 桐谷さん、わたしにばっかイジワルなこと言ってくんのに」

「ふふっ。ふたりとも恋愛偏差値、小学生レベルですね~。桐谷さんのイジワルは、好きな子をついかまいたくなるアレだと思いますけどね」

「ぎゃーやめてやめて。そういうんじゃないから、ほんと」

「まぁ、それは冗談ですけど。でも、他の女子社員には一線ひいてるって感じの桐谷さんが、奈々子さんには心許してる風に見えるんですよ。なんか、ふたりで言い合いしてるとき、桐谷さん、ちょっと楽しそうなんだもん」

「そりゃ楽しいでしょうよ。人のこといつも散々コケにしてさ」

「もーまた、そういうひねくれた言い方するー。そういう性格だと、損しちゃいますよ」


杏里ちゃんはそう言うと、両手でわたしの頬をムニっとひっぱった。


「しょうがないなぁ。素直になれない奈々子さんに、あたしから、クリスマスプレゼント、あげちゃいます」

「何?」

「これ……トップシークレットなんですけど……」


半歩ほどわたしに近づくと、その続きをコソコソと耳打ちしてきた。


「それ……ホント?」

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