プリーズ・イート・ミー
桐谷さんが車を発進させる。

なぜか会話がはずまなかった。

原因はわたし。

いつもみたいにポンポンと言葉が出てこない。

自覚はある。わたし、今内心、落ち込んでる。はしゃぐ気になれない。
さっきYEONの更衣室で杏里ちゃんから聞かされたことが、ずっと胸の奥底に残ったままなのだ。

どうしよう。確かめたい。だけど、どう切り出せばいい?


やがて信号が赤になり、交差点の手前で静かに車が停車した。

聞くなら、今しかない。
わたしは小さく息を吸い込んでから、口を開いた。


「桐谷さん……」

「ん?」

「年が明けたら、エネルギー資源部に異動するってホントですか……?」

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