プリーズ・イート・ミー
静かな車内に、カチカチというウインカーの音がやけに響いていた。


「なんだ。もう噂出まわってるのか……」

「ホントなんですね」

「ああ。正確には1月25日付けな」

「そうなんですか……」


そっか……。
あと1ヶ月で、いなくなっちゃうんだ。

よかったじゃん。怖い人がいなくなって。
もう怒られずに済むのだから。
なのに、なんでさっきからわたしの気分は妙に沈んでるのよ。


「若宮」

「はい」

「お前、食品部にきて2年になるよな? そろそろ外回りするか?」

「え?」

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