プリーズ・イート・ミー
「あと、すげぇ手、冷たかったら。コーヒー淹れてくれて助かった。サンキュ」


そう言うと、冨樫さんはコーヒーを口にした。


「うまいな」


冨樫さんの口から白い息が出る。
あたしはそれをぼんやり眺めながら言った。


「それ、おいしいですか?」

「ああ」

「ホントに?」

「うん」


ちょっと不思議そうな顔をする冨樫さんに、あたしはフフッって微笑みかけた。


「ごめんなさい。さっきウソついてました」

「え?」

「毒入りじゃないって言ったけど、あれ嘘です。それ、毒入れてます」

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