プリーズ・イート・ミー
「はぁああ?」


ピクンと眉をあげ、いぶかしげにカップを眺める冨樫さん。


「それ、冨樫さんの苦手な“マシュマロ”を溶かしてるんですよ」

「マジで?」

「気づかなかったんですね」

「ああ、この甘味は砂糖だとばっかり。むしろ、うまいな……って思ってたし」

「マシュマロって、そのままだけじゃなくて、色んな食べ方あるんですよ? あたしの一番のおすすめは、レンジでチンしてビスケットに挟んで食べるヤツです」

「へぇ……」

「冨樫さん、マシュマロ苦手だって言ってたけど、それって、食わず嫌いなだけなんじゃないですか? こうやってコーヒーに溶かしたらおいしいって感じられるのに」

「ああ、まぁそうかもな。今度、色々試してみるよ」

「そうですよー。そうしてください」


あたしもコーヒーを一口飲む。

それから、顔を上に向け、ハァって息を吐きだした。

白い息が夜空に上がって溶けていく。
空からは雪がチラチラと舞い降りてくる。

よし、と、あたしは心を決めて、口を開いた。


「冨樫さん」

「ん?」

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