月の絆~最初で最後の運命のあなた~
何か言おうとするマリアを無視して、小走りに運転席側に回り、車に乗り込んで暖房を強めに入れる。
「さて、嘘はなしだ。どれくらい待ってた?」
「別にいいでしょ。遅れた訳じゃないんだから」
気楽な口調で言いながら、マリアは指先を何度も握っては開いてを繰り返している。
寒すぎて痛くなっているのが、それだけで狼呀にも分かった。
両手を伸ばして、マリアの手袋を素早く外し、指先を包み込むように掴むと、彼女の肩が跳ねる。
「なに!」
引き抜こうとマリアは手を引いたが、狼呀は離す気はない。
「冷たいな。痛かっただろ」
伴侶を守りたい気持ちが、昨日よりも高まる。
しばらく親指で手の甲を撫でると、少しづつ肩の強ばりがとれてきて、指先からも力が抜けた。