月の絆~最初で最後の運命のあなた~
鞄を床に置いて、コートを近くの椅子にかけ、あたしはレンに近づいた。
「どうして? そう思う理由は?」
「それは……」
レンはあたしの手を掴み引き寄せると、脚の上に跨がらせる。
「君の髪や体からあいつの匂いがするからかな」
「ちょっと! そんな匂いする訳ないでしょ!」
匂いがつくほど、親密な関係ではない。
「ふざけないで……まったく、血は飲むの? 飲まないの? 飲まないなら帰る」
レンの膝からおりようとすると、冷たい両手が腰を掴んだ。
すぐに片手は脇腹を上がり、肩から腕を撫で下ろす。