月の絆~最初で最後の運命のあなた~




[3]


 狼呀は、絆を通して感じた官能的な感覚に息を乱しながら目を覚ました。


 首に回される腕と、腰に巻き付けられる足。


 その全てが、鮮明に脳内に浮かぶ。


「っ……マリア」


 体を起こすが、あるのは明るい室内だけで、マリアの姿はない。


 それなのに、今まさにセックスをしたような感覚が残っている。


 額に浮かぶ汗を拭い、自らの髪に指を突っ込んだところで、手が震えていることに気がついた。


(いったい、何が起きてる?)


 無意識に、上半身裸だった狼呀はTシャツを着ると、革の上着を羽織り車の鍵を手にしていた。


 それから先の狼呀を動かしていたのは、本能ともいえる力。


 見えない引力に引かれるまま、駐車場に行き車を発進させた。





< 172 / 356 >

この作品をシェア

pagetop