月の絆~最初で最後の運命のあなた~
「なんだ!」
「ちょっと、どうなってんの? 今日は撮影の日でしょ!」
レイラの怒り狂った声に、とっさに携帯電話を耳から離したが、鼓膜の奥が痛い。
耳から離しているにも関わらず、はっきりと聞こえる声の大きさに狼呀は唸り声をもらした。
「黙れ。もう少し声の音量を下げられないのか? それから、撮影は瑞季か聖呀に頼め」
「ちょっと待ってよ。昨日はいいって……」
「悪いが行けなくなった」
それだけ言って電話を切ろうとした瞬間、レイラの呟きが聞こえた。
「……まさか、あの子のせいなの?」
気にもとめずに、狼呀は通話を終了させて電源も切ってジーパンの後ろポケットにしまった。