月の絆~最初で最後の運命のあなた~
「んっ……」
頭を自分の胸にもたれさせると、温かさを求めるようにマリアはすりよってきた。
寒さに身を震わせたように見えたが、狼呀の体温を感じたのか、また眠りを深くした。
あまり振動をあたえないように歩きながら部屋を出て、足で蹴って扉を閉めると自動的に鍵のかかる音がする。
エレベーターに乗れば、勝手に動き出し、ほとんど振動もなく一階に辿り着いた。
その間も、マリアは起きる様子を見せない。
突き刺さるような視線を感じながら、言われていた通りコンシェルジュのところへ行き、乱暴に二つの鍵を放った。
女は何かを言いたそうにしていたが、狼呀は鋭い視線で黙らせるとマンションを出た。